足立区の耳鼻咽喉科(耳鼻科)・アレルギー科です。花粉症、アレルギー性鼻炎、中耳炎、咽喉頭炎の治療。補聴器相談。

東京都足立区千住旭町39-11
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舌下免疫療法
〜スギ花粉症およびダニアレルギー〜

舌下免疫療法は、スギ花粉あるいはダニによるアレルギー症状のある方に対して、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を口腔より投与することで、アレルギー反応を起こりにくくしていく治療です。当院では、以前より皮下注射による免疫療法を行っておりますが、舌下免疫療法も積極的に実施しております。舌下ならびに皮下注射の免疫療法はいずれも保険適応の治療です。

免疫療法とは?

ほとんどのスギ花粉症やダニアレルギーの方は、病院から処方される薬や市販薬の服用によって、症状を抑え込む治療(対症療法)を行っています。比較的即効性があり、簡便な治療ですが、薬の使用をやめるとまた症状が起こってしまいます。中には、非常に重症度が高く、効果が出にくかったり、薬の副作用が出やすい方もおられます。免疫療法は、原因物質(アレルゲン)を少量で長期に投与することにより、アレルゲンと接触しても症状が起こりにくくなる治療法です。これにより、抗アレルギー薬の使用量を減らすことができたり、場合によっては全く薬を使用しなくても過ごすことができるようになります。

治療を行う上での注意点

  • スギ花粉症やダニアレルギーであることが正確に診断された上での治療ですので、診断確定のための検査を行います。当院では、問診と血液検査、場合により皮膚反応による検査で診断しております。
  • 現在のところ、舌下免疫療法が行えるのはスギ花粉症とダニアレルギーの方のみとなっております。
  • この治療法には即効性が無く、根気よく治療を毎日継続する必要があります。最低でも2〜3年、なるべく5年程度治療を続けることが望ましいとされています。
  • およそ70〜80%の方に症状の改善が認められますが、治療によっても効果が認められない方もおられます。残念ながら、現状ではそれをあらかじめ予測する方法はよくわかっていませんが、他のアレルゲン(スギ以外の花粉やカビ、動物の毛やフケなど)にアレルギーがある方や鼻内の形態が不良の方では効果が落ちる可能性があります。
  • 舌下投与後は5分間程度うがいや飲食を避け、また2時間ほどは激しい運動や飲酒、入浴をさけていただきます。
  • 本治療により、口の中の違和感やかゆみなどの症状が治療初期に起こる場合があります。ほとんどの方では治療の継続に伴い症状が軽快することが多いのですが、きわめて稀に強い全身性の免疫反応(アナフィラキシー反応といいます)を起こすことがあります。そのような場合は、直ちに医療機関に連絡、救急病院などに受診していただく必要があります。
  • 以下の方は本治療を行うことができません。
    1. 狭心症や不整脈などでβ(ベータ)阻害薬を使用されている方
    2. 妊娠されている方あるいは近い時期に妊娠を希望される方
    3. 不安定な重症ぜんそくがある方
    4. 悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全症、重症心疾患などの方
    5. ステロイド薬の服用を続けていたり、抗がん剤を使用されている方
    6. 5歳以下の方(当院では小学生以上の方で実施しております)
    7. 医師の判断により、本治療が不適切とされる方
  • スギ花粉の場合は、花粉の飛散する時期(1月〜5月)は新たに治療を開始することはできません。治療の副作用が起こりやすくなるためです。ダニアレルギーの舌下免疫療法も、スギ花粉症を併発している方はこの時期からの治療開始は避けていただいております。

治療の流れ

  • 初回診察(1回目)
    問診や血液検査など
  • 1週間後受診(2回目)
    検査結果からスギ花粉症あるいはダニアレルギーであることを確認した後、院内にて薬を舌下投与します。およそ30分間院内に留まっていただき、副作用の有無を確認します。問題なければ薬を1週間分処方し、毎日自宅で舌下投与(1日1回)していただきます。
  • 1週間後受診(3回目)
    自宅での投与で特に副作用の問題がなければ薬の濃度を上げます。当院では念のため、この際にも院内で投与の後、およそ30分間院内に留まっていただき反応を確認いたします。問題なければ同じ濃度の薬を処方(10日分)し、ご自宅で舌下投与(1日1回)していただきます。
  • 以後は、特に問題なければ同じ濃度の薬を約1か月分処方いたしますので、毎月1回定期的に受診していただきます。

副作用について

スギ花粉やダニといったアレルギーの原因物質を投与することから、当然のことながらアレルギー反応が起こる可能性があります。特に、口腔への投与なので口の中のかゆみ、腫れ、違和感といった症状や耳、のどのかゆみなどは比較的高頻度にみられます。このような反応は副作用とは呼ばず、副反応といいます。これらの症状の多くは治療初期にみられ、ほとんどの場合治療経過とともに軽快していきます。重篤な副反応としては、アナフィラキシー反応とよばれるものがあり、全身性の蕁麻疹、喘息発作様症状、消化器症状(嘔吐、腹痛、下痢など)、ショック症状などを呈するものです。ただし、このような重篤な副反応はきわめて稀です。念のため舌下免疫療法を開始の際には、強い副反応が出現時に内服する頓服薬とともに、緊急用連絡カードをお渡ししております。

治療費用

クリニックや薬局での窓口負担:負担率3割の場合
1回目約5,000円(アレルギーに関する検査料などが含まれます)
2回目約700円
3回目スギの場合約1,000円、ダニは約1,100円
4回目以降(月1回)
4回目以降
(月1回)
スギの場合約2,600円、ダニは約3,500円
※ 舌下免疫療法を行っていてもアレルギー症状が出る可能性があります。その場合は症状を抑える抗アレルギー薬などの薬代が必要になります。しかし、舌下免疫療法を行うことにより症状が軽くなれば、これまでよりも症状を抑える薬の量が減る可能性があります。

スギ花粉症の舌下免疫療法治療薬であるシダトレンですでに治療を開始されている方

スギ花粉症の舌下免疫療法をシダトレンの舌下投与ですでに開始しておられる方は、2021年3月でシダトレンの生産が終了となるため、2018年に発売されたシダキュアへの変更をお勧めしております。薬の変更を行う場合は、再度治療の導入が必要で、院内で薬による副作用の有無の確認をさせていただきます。なお、シダキュアの導入に際しては、受診当日はシダトレンの舌下投与はしないで来院して下さい。

シダトレンとシダキュアの違い

いずれもスギ花粉症の舌下免疫療法の治療薬ですが、シダトレンは2014年に発売となった初めての舌下免疫療法の治療薬です。それに対し、シダキュアは2018年に発売され、シダトレンより濃度が高く、さらに高い治療効果が期待されています。シダトレンは口の中で2分間保持した後に飲み込みます。また、液剤なので冷所(冷蔵庫)での保存が必要です。それに対して、シダキュアは口の中で素早く溶ける錠剤で1分間の口腔内での保持ですみ、室温での保存が可能なためより扱いやすくなっています。
 シダトレンシダキュア
薬のタイプ液状錠剤
口腔での保持2分間1分間
薬の保存法
冷所保存(冷蔵庫)
冷所保存
(冷蔵庫)
室温保存

皮下注射の免疫療法について

当院では、以前より皮下注射による免疫療法も実施しております。皮下注射はクリニックに来院していただき、院内で行います。最初の半年〜1年は週1回程度通っていただき、治療液の濃度と量を皮膚の腫れ具合を見ながら増やしていきます。一定の濃度と量に達したら、治療間隔を月1回にしていきます。最初は通院に手間を要しますが、維持量となった後は月1回の注射に通っていただくのみなので、舌下免疫療法のように毎日投与していただくようなことはありません。治療期間は舌下免疫療法とほぼ変わらず、効果は舌下免疫療法と同等以上です。また、副作用についても院内で確認できますし、アナフィラキシー反応のような強い副作用もきわめて稀です(これまでのところ、当院では経験ありません)。費用については、初年度は舌下免疫療法とあまり変わりありませんが、2年目以降は舌下免疫療法の1/4〜1/6程度ですみます。皮下注射の免疫療法をご希望の場合も、当院にご相談下さい。

舌下免疫療法について詳しく掲載されておりますので、こちらもご覧下さい。